浪人生日記0

  大学受験が終わった。合格発表までの期間というのはなかなか気分が晴れない。 受かるにしろ落ちるにしろもっと早く結果が出ないものなのか・・・手応え的には若干しくじったので、現実的に考えて受かっている可能性は3割ぐらいだろう。どんな結果であれ受け入れる準備をしておく。
 それにしても地方大会での敗戦以降の堕落っぷりはどうしたものやら。そもそも自分はあの舞台にいる資格がなかった。十分努力して負けたならまだしも、出場を決めた段階からほとんど何も努力しなかった。暴風警報が出て練習が休みになった時も、家で素振りしたりできることがあったにもかかわらず怠け続けた。いったい自分は何をやっていたのだろう。あの1試合で自分に対する信用を失った。
 そもそも自分に何を期待していたというのだ。宿題を確信的にやらなかったのに忘れたとつまらない嘘をつき、主将として周りを引っ張ることもできず、不安定に揺れている自分を保とうと孤立することで余計に自分を失っているしょうもない自分に。それでも地方大会への出場権を勝ち取った時、少しは努力することができたと実感できたのに、せっかく芽生えかけた自信をわずか3週間ですべてぶち壊してしまった。怠けることで失うものの大きさに、なぜもっと早く気づくことができなかったのだろう。結局敗戦を女々しく引きずり勉強にもろくに身 が入らず、どこかで自分はダメな人間だと諦めている。
 現実逃避のように音楽を聴いてラジオをつけて、夜はアニメやドラマや小説をパソコンで見て寝不足になり、勉強に集中できなくなる。効率性や努力のかけらも存在しない。受験直前になってもそれは全く変わらなかった。
• 正直、東大にはそんなに魅力を感じない。本当にすごい人間は大学に関係なくすごいのであり、東大に行くのは多少なりともそれをよりどころにする必要のあるくだらない人間だと思っていたし、現に今でもやはり思っている。しかし自分はどうだろう。他人の反応ばかり伺って何でも周りの期待を勝手に想像してビクビクしながらここまできた腰抜けの根無草には、これほどぴったりな環境はないと思われる。

 自分の良いところも短所ほど多くはないだろうがある。まず他人には優しいところだ。これは自信を持って言える。伝え方がさっぱり下手だから相手に思い通りに伝えることはなかなかできないのが課題だが、根本的なところでは自分は優しいと思う。あとは真面目なところだ。これは長所というのか微妙で、たまにさっぱり融通が効かなくなったりつまらないことでクヨクヨすることもあるが、何かを成し遂げるには必須の要素だと思っている。どんなにクールでちゃらけているように見えても、いっぱしの人間はどこかで筋の通っているところがあり、この筋を生み出すものの一要素に真面目というものはあるように思う。

• 要は自分は欠点だらけでどうしようもない部分が多いけれども、そんなに捨てたものでもないということだ。今後どうなるかは全てこれからの自分自身にかかっている。